カルペ・ディエム

アメリカー東京を行ったり来たり。

ビジネスシーンで「ごめんなさい」は良し悪し。その代わりにできること

ブラジル ブルボンサンドライ


 

「ごめんなさい」、「すみません」、「申し訳ありません」が口癖になっていませんか? 

 

素直に謝れることはとても大切だと思います。しかし、時と場合によってはそれが裏目に出ることも、特にビジネスシーンでは謝罪のことばの代わりに違う対応がいい場合もあるそうです。

 

アメリカのニュースサイトCNBCのある記事によれば、職場では、すぐに謝ることが裏目にでることがあると述べています。アメリカでは、簡単に謝ることは「自信のなさ」を伝えているようなものでなめられる、とよく聞きます。この記事ではすぐに謝ってばかりいることは自己肯定感を低くする可能性もあるし、後の謝罪の真実味が薄れていくという点も指摘しています。

 

そういえば、うちの夫は、私の機嫌が悪いと、意味もなくとりあえず謝ります。彼の謝罪にはもはや誠意を全く感じません。

 

■色々な状況での謝罪に代わってできること

 

1.会議などで反対意見を言う時

反対意見を言う時、「申し訳ありませんが、ちょっといいですか…」のような、言い方をしているかもしれません。「申し訳ない」をつけることで、逆に否定や闘争心を強調しているようで相手が構えてしまうこともあるのではないでしょうか。

同記事によれば、その代わりに、「なるほど、私の考えはちょっと違う角度なのですけど…」「そのほかには、このような考え方もあるかもしれない…」「このようなアイデアも付け加えられるかもしれない…」などにすると、少し柔らかな感じを与えるし、自信も感じられるのではとのことです。

 

2.本人がコントロールできない状況

例えば、会議のプレゼンでコンピュータや回線の不具合などで自分のミスでなく時間がかかり会議参加者を待たせなくてはならないような場合も、謝る必要はないだろうとこの記事では指摘しています。

「謝られてもしょうがないよね」という場合 あたふたあせって「ごめんなさい」の繰り返しされるとかえって、気の毒に感じ場が緊張してしまうのでは。もしかしたら、「ご辛抱いただきありがとうございますもうしばらくお待ち願います」のように感謝を伝えたほうが、場が和むし、自信が伝わるのではないか、ということです。

 

■寛容さの美徳

アメリカと日本では文化が違うのだから、まずは謝らないと、というのが日本かもしれません。

 

この記事でも謝罪が必要ないといっているのではありません。謝罪が必要な時には自分の非を認め心から謝るべきだといい、謝罪すべきか、感謝すべきか、など、その状況を判断することが大切だと述べています。

 

それにしても、ちょっとしたことで「あやまれ」と謝罪を強要する人がいますが、他人の悪気なき間違いに寛容になることのほうがよほど精神的に良いことではないでしょうか。

 

以前、帰国した際に荷物が出てこなかったことがあります。長時間のフライトでぼんやり。いつまでも空のターンテーブルを見つめている私に航空会社のグランドホステスの若い女性が走って駆け寄ってきました。「荷物でてきませんか?」「そのようですね~」と答えたら、「申し訳ございません」と頭をペコペコさげるのです。

 

走ってカウンターに行き、また走って戻ってきて、「申し訳ございません、どうやら、アメリカ側で積み残されたようで、次の便に載せましたとのことです」

あまりにも何度も申し訳なさそうに謝るので、「あなたが悪いわけではないのだから、謝らないでください」というと、「でも…。」と。きっと何度かこういう事で客に怒られたことがあるようでした。

 

なぜ、彼女が怒られ謝らなくてはならないのか、彼女は自分の仕事をてきぱきとしっかりこなし、翌日には荷物が届くように手配をしてくれました。神対応です。こちらとしては重い荷物なく移動できたので逆にありがたいです。

 

日本的な考えだと、彼女が悪くなくても、彼女は会社を代表して謝るべき、ということでしょう。でも、積み忘れに苦情を言うのなら、彼女ではなく、しかるべきところでこの件でどういう迷惑を被ったが御社のサービスのシステムに問題があるのではないかと忠告するべきではと思います。

 

日本人は完璧なサービスに慣れすぎているので、海外では当たり前のようなミス対して過剰に反応してしまうのはわかりますが、こういったハプニングにいちいち腹を立てていても、ストレスがたまるだけです。軽く受け流すことも自分のためかもしれません。